pict+pict

気ままに写真の日々つづり

こおろぎさん

 

子どもが、秋探しという授業の中で金木犀と、あと足が取れて弱っている小さいこおろぎを持って帰ってきた。体も小さいし、足も欠けてしまいヨロヨロだったから”もう緑のあるお外に返してきてあげたら”と言ったのだが、どうにかならないかとすがるので、カップに弱ったこおろぎと餌になりそうな果物を一緒に入れた。

「あっ果物食べてる!」と騒ぐ子どもたち。(とても弱っていたので、実際食べてるのかどうかわからないけれど)こおろぎの看病をしたいと、金木犀の葉をちぎってベッドを作ったり、周りに応援旗を立てたりしていた。大人としては、何やってももうじきこおろぎは死ぬ、無駄無駄とわかっているのだけど、看病に燃えている子どもたちの気持ちに水を差す訳にもいかない。

 

 

案の定、朝起きたらこおろぎは全く動かなくなっていた。小さいこおろぎがあんだけ弱っていたらそりゃ当たり前だ、と心の中で思う。でも傍で朝からシクシク泣く子ども。ちっぽけなものでもなんだかんだ、命が消えるのは悲しいものだった。

 

「土に返してあげよう、命あるものは土に返るものだから」と、よくわからないけれど、まあこう言うと子どもなりに納得してくれた。うちのレモンバーベナの鉢植えの土を掘って、目印となる金木犀の葉を差してお墓とした。次こそは大きく育ちますように。